都知事
私のように独善癖の強い人間でも今騒がれている都知事の行為は、疑惑や誤解をはらすというレベルはとっくに越え、「精査された通りです。私が自分で払うべきお金を払わないで済むように画策しました。自分の見栄のために不必要な贅沢をしました」と認めて、そのうえで自分の今後の道を決めることだ、としか思えないのですが、なんで、問い詰めるほうも問い詰められる当事者双方も、いつまでもだらだら空しい応戦を続けているのでしょう。
それにしても、敗者に対する多数や強者の態度の冷酷さ執拗さ。しかもそれが”自分は正義”の座布団の上にいてそうであるから、なお現在の社会の残酷さを思い知らされる。
自分もそうだったなぁ。多数や強者の尻馬に乗ってその場の敗者を許さなかったこと。
そうして多数や強者の側に認めてもらっていたつもりになっていた、その苦さこそを今は許せないけど。
都知事は本来はとても頭のいい優秀な方なのだと思うから、隠し方や言い逃れがうまくなるのではなく、虚栄を真に克服して、いつも理不尽に苦しむ人のために在る政治家になれますよね。真の成熟を果たすには己の内外で燃えている煉獄を避けてはいけないのだと思う。そう思う。