Aさんからの電話
昨日、G県在住のAさんから電話があった。
彼女は学校の後輩で長い付き合いの方である。
ご両親は教育者、夫君は銀行員という家庭の方で、お宅は手入れの行き届いた立派な作りで、彼女自身はたたずまいが現皇后の美智子さんに似ていると友人たちは言う。
その彼女が学生の頃からどこか異端というか反逆者風だった私を慕って下さり、いまだに、「Nさん(私の旧姓はN)がいたから生きてこれた」と信頼して下さる。
確かに私は彼女が窮地におちた時や繊細なあまりに人間関係に孤立された時など、それがどんなボス的な人を敵に回すような位置になろうと、一度たりとも彼女に態度をかえたことなどなく、彼女の中傷をあらわにして貶める人がいたら決然と「そうした中傷をするあなたこそ問題だ」と一人で向かい合った。
でもそれは単に私の気質のなせることで、そんな恩義を感じてもらうことではなかった。それなのにAさんは、ひょいひょいと電話やお手紙を下さり、私の今もってはぐれた生き方をしているのを力づけて下さるのだ。私のほうこそ、Aさんがおられるからくじけそうな崖っぷちに立っていても生きていられる。
そのAさんの電話であるが、昨日はちょうどゆっくり話ができる状態の時ではなかったので失礼してしまったのだが、先ほどまた電話が来た。
私は今夜は(も)疲れていたので、ごめんなさい、後日私から電話しますね、と言って切ってしまったのだが、切った後、二度も続けて電話をいただいたということは、何か用事があったのではないだろうか、と気になりはじめた。
こういうところが自己中心というか思いやりがないというか、本当によくない自分だと申し訳ない気持ちでいっぱいである。